イレクターパイプとは?車中泊ベッドに最適な理由
イレクターパイプは、スチール製のパイプとジョイント部品を組み合わせて、様々な構造物を作ることができるDIY素材です。ホームセンターで手軽に購入でき、カットサービスも利用できるため、初心者でも扱いやすいのが特徴です。
イレクターパイプの主な特徴
- 溶接不要:専用のジョイント金具と六角レンチだけで組み立てられます
- 強度が高い:スチール製なので大人が寝ても十分な耐荷重性能があります
- 分解可能:必要に応じて取り外しや再組み立てができます
- カスタマイズ自在:車種に合わせてサイズ調整が容易です
- コストパフォーマンス:市販のベッドキットと比較して大幅に費用を抑えられます
必要な材料と工具リスト
基本材料(軽自動車サイズの例)
| 材料名 | 数量 | 概算価格 |
|---|---|---|
| イレクターパイプ(φ28mm × 1800mm) | 4本 | ¥3,200 |
| イレクターパイプ(φ28mm × 1200mm) | 6本 | ¥3,600 |
| イレクターパイプ(φ28mm × 600mm) | 4本 | ¥1,600 |
| 直交ジョイント(J-49A) | 12個 | ¥3,600 |
| T字ジョイント(J-12A) | 8個 | ¥2,400 |
| エンドキャップ | 4個 | ¥400 |
| コンパネ(9mm厚 × 1800mm × 900mm) | 1枚 | ¥2,500 |
| ウレタンマット(厚さ50mm) | 1枚 | ¥4,000 |
| 合計 | ¥21,300 |
必要な工具
- 六角レンチセット(4mm、5mm)
- メジャー
- マスキングテープ(印付け用)
- パイプカッター(ホームセンターでカットサービスを利用する場合は不要)
💡 ポイント
ホームセンターのカットサービスを利用すれば、正確な長さにカットしてもらえます。1カット50〜100円程度で、初心者には特におすすめです。
設計の基本:車のサイズに合わせた寸法の決め方
ベッドキットを作る前に、車内の採寸が重要です。快適な車中泊のためには、以下のポイントを押さえましょう。
採寸する箇所
- 横幅:車内の最大幅を測定(ドア側の出っ張りに注意)
- 長さ:後部座席から荷室奥までの距離
- 高さ:床から天井までの高さ(ベッド設置後の頭上空間を確保)
- 段差:後部座席と荷室の段差の高さ
ベッド高さの決定
ベッドの高さは使用目的によって変わります。
- 低床タイプ(25〜35cm):天井が低い車に最適。収納スペースは少なめ
- 中床タイプ(35〜45cm):バランス型。ある程度の収納スペースも確保可能
- 高床タイプ(45cm以上):ベッド下に十分な収納スペースを確保できる
ステップバイステップ:組み立て手順
STEP1:フレームの仮組み
まずは車外で仮組みを行い、寸法が正しいか確認します。
- 長手方向のパイプ(1800mm)2本を平行に配置
- 短手方向のパイプ(1200mm)を直交ジョイントで接続し、長方形の枠を作成
- 中央に補強用のパイプを渡す(T字ジョイント使用)
- 六角レンチで各ジョイントを仮締め
STEP2:脚部の組み立て
ベッドの高さに応じた脚を4隅に取り付けます。
- 600mmのパイプ4本を脚として準備
- 各コーナーに直交ジョイントを使って垂直に固定
- 水平を確認しながら本締め
- エンドキャップを脚の底部に装着(床面保護のため)
STEP3:車内での設置と調整
組み立てたフレームを車内に設置し、微調整を行います。
- 後部座席を倒し、スペースを確保
- フレームを車内に搬入
- 車体との接触部分にゴムシートなどを挟んで傷防止
- 水平器で水平を確認し、必要に応じて脚の長さを調整
- すべてのジョイントを本締め
STEP4:天板とマットの設置
最後に快適性を高める天板とマットを設置します。
- コンパネをフレーム上に載せる(ずれ防止に滑り止めシートを推奨)
- ウレタンマットをカットして天板に合わせる
- マットカバーや寝袋を敷いて完成
⚠️ 注意点
組み立て時は、ジョイント部分を最初から強く締めすぎないこと。全体のバランスを見ながら徐々に締めていくことで、歪みのない仕上がりになります。
実際の費用内訳と節約ポイント
総額の目安
上記の材料費に加えて、オプション品を含めた総額は以下のようになります。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 基本材料費 | ¥21,300 |
| 工具類(六角レンチセットなど) | ¥1,500 |
| カットサービス料金(10カット) | ¥800 |
| 滑り止めシート・ゴムシート | ¥1,000 |
| 総額 | ¥24,600 |
市販の車中泊ベッドキットは5万円〜10万円程度が相場ですので、約半額以下で製作できることになります。
さらに費用を抑えるコツ
- ホームセンターのセール時期を狙う:イレクターパイプは定期的にセール対象になります
- 中古品を活用:ウレタンマットは新品でなくても問題ありません
- 余り木材を利用:天板用のコンパネは端材コーナーで安く入手できることも
- 分割購入:一度にすべて揃えず、必要な物から順に購入
実際に使ってみて:メリットとデメリット
メリット
- コストパフォーマンスが高い:市販品の半額以下で製作可能
- カスタマイズ自在:車種や用途に合わせて自由に設計できる
- 分解・再組み立てが容易:普段は取り外して広い荷室として使用可能
- 追加改造が簡単:後から棚を追加するなどの拡張が容易
- 達成感がある:自分で作った満足感が得られる
デメリット
- 製作時間がかかる:初めての場合は半日〜1日程度必要
- 見た目が工業的:パイプフレームなので無骨な印象
- 細かい調整が必要:車種によってはピッタリ合わせるのに工夫が必要
- 重量がある:スチール製なので持ち運びには不便
長く使うためのメンテナンスと改良アイデア
定期メンテナンス
イレクターパイプのベッドを長持ちさせるには、以下のメンテナンスを行いましょう。
- ジョイント部分の増し締め:3ヶ月に1度程度、緩みがないか確認
- 接触部分の確認:車体との接触面のゴムシートが劣化していないかチェック
- パイプの清掃:汚れや錆を定期的に拭き取る
おすすめの改良アイデア
- 収納棚の追加:ベッド下のスペースに棚を追加して収納力アップ
- 照明の取り付け:パイプにクリップ式のLEDライトを設置
- カーテンレールの設置:パイプを活用して目隠しカーテンを設置
- テーブルの追加:サイドに小さなテーブルを追加して利便性向上
- 塗装:好みの色に塗装して見た目を改善
よくある失敗例と対処法
失敗例1:サイズが合わない
原因:採寸時に車内の凸凹を考慮していなかった
対処法:実際に段ボールなどで型取りをしてから設計する
失敗例2:水平が取れない
原因:車の床面が傾いている、または脚の長さが不揃い
対処法:脚の底にゴム板を重ねて高さ調整する
失敗例3:ガタつく
原因:ジョイント部分の締め付けが不十分
対処法:すべてのジョイントを再度増し締めする
まとめ:イレクターパイプDIYで快適な車中泊を
イレクターパイプを使った車中泊ベッドキットは、DIY初心者でも十分に製作可能です。市販品と比較して半額以下の費用で、自分の車にピッタリ合ったベッドを作ることができます。
最初は不安かもしれませんが、基本的な構造を理解し、丁寧に採寸・組み立てを行えば、必ず満足できる仕上がりになります。溶接や特殊な工具も不要なので、週末を使ってぜひチャレンジしてみてください。
自分で作ったベッドで迎える車中泊の朝は、格別の喜びがあるはずです。この記事を参考に、あなただけの快適な車中泊空間を作り上げてください。
