冬の車中泊、暖房問題で悩んでいませんか?
「冬の車中泊って、電気毛布だけで大丈夫なのかな?」
「ポータブル電源を買うべきか迷ってるんだけど、高いし本当に必要?」
冬の車中泊を始めようと考えている多くの方が、このような疑問を抱えています。確かに、電気毛布は安価で手軽ですが、本当にそれだけで快適に過ごせるのでしょうか。一方、ポータブル電源は便利そうですが、数万円の投資に見合う価値があるのか判断が難しいですよね。
この記事では、初期投資・ランニングコスト・使い勝手の3つの視点から、あなたに最適な選択肢を見つけるお手伝いをします。
結論:あなたのスタイルで選ぶべき選択肢が変わる
先に結論をお伝えすると、「どちらが絶対にコスパが良い」という答えはありません。あなたの車中泊スタイルによって、最適な選択は大きく変わります。
電気毛布がおすすめな人
- 月1〜2回程度の車中泊
- 道の駅やRVパークなど電源付き施設を利用
- 初期投資を抑えたい
- 荷物を最小限にしたい
ポータブル電源がおすすめな人
- 週1回以上の頻繁な車中泊
- 電源のない場所でも自由に泊まりたい
- 複数の電化製品を使いたい
- 災害時の備えも兼ねたい
それでは、詳しく比較していきましょう。
初期投資:圧倒的に安いのは電気毛布
電気毛布の初期コスト
電気毛布の価格帯は非常に幅広く、用途に応じて選べるのが魅力です。
- エントリーモデル:3,000円〜5,000円
- 中級モデル:5,000円〜8,000円
- 高級モデル:8,000円〜15,000円
車中泊用として人気の掛け敷き両用タイプでも、5,000円前後で十分な性能の製品が手に入ります。温度調節機能やタイマー機能が付いたモデルでも1万円以内で購入可能です。
ただし、電源付きサイトを利用する場合は、施設利用料として1泊あたり500円〜1,500円程度の追加費用が発生します。
ポータブル電源の初期コスト
ポータブル電源は容量によって価格が大きく変動します。
- 小容量(200Wh〜300Wh):20,000円〜40,000円
- 中容量(400Wh〜600Wh):40,000円〜80,000円
- 大容量(700Wh以上):80,000円〜150,000円以上
冬の車中泊で電気毛布を一晩使用するには、最低でも400Wh程度の容量が推奨されるため、現実的な初期投資は5万円〜8万円程度となります。
初期投資の差額を取り戻すには?
仮に電気毛布5,000円とポータブル電源60,000円を比較した場合、差額は55,000円です。
電源サイト利用料を1泊1,000円、無料スポットでの車中泊との差額と考えると、ポータブル電源の初期投資を回収するには約55泊が必要になります。月2回の車中泊なら約2年、週1回なら約1年で元が取れる計算です。
ランニングコスト:意外と差が出る電気代
電気毛布の電気代
電気毛布の消費電力は製品によって異なりますが、一般的には以下の通りです。
- 弱モード:約20W〜30W
- 中モード:約40W〜50W
- 強モード:約60W〜80W
冬の車中泊では中〜強モードで使用することが多いため、平均50Wとして計算します。8時間使用した場合の電気代は、電力単価を30円/kWhとすると約12円です。
月に2回車中泊をする場合、電気代は月額24円、年間288円となります。ただし、電源サイトの利用料を含めると、実質的なコストは1泊あたり1,000円前後となります。
ポータブル電源の充電コスト
ポータブル電源は家庭用コンセントで充電するため、充電にかかる電気代を計算する必要があります。
500Whのポータブル電源をフル充電する場合、充電効率を80%として約625Whの電力が必要です。電力単価30円/kWhで計算すると、1回の充電コストは約19円となります。
電気毛布を8時間使用すると約400Whを消費するため、1泊ごとに充電が必要です。月2回の車中泊なら月額38円、年間456円の電気代がかかります。
長期的なランニングコストの比較
電気代だけを見れば、年間の差額はわずか168円程度です。しかし、電源サイト利用料を含めた実質コストで比較すると大きな差が生まれます。
年間24泊の場合(月2回)
- 電気毛布+電源サイト:約24,000円
- ポータブル電源:約450円
この視点で見ると、ポータブル電源の初期投資は約2.5年で回収できる計算になります。
使い勝手:自由度と快適性の違い
電気毛布のメリットとデメリット
メリット
- 軽量コンパクトで持ち運びが楽
- 設置が簡単で準備に時間がかからない
- 故障のリスクが低い
- 洗濯できて衛生的
デメリット
- 電源付き施設でしか使えない
- 泊まる場所が制限される
- 電源サイトの予約が必要
- 毛布だけでは寒い日もある
- 他の電化製品が使えない
電気毛布は手軽さが最大の魅力ですが、使える場所が限られるため、自由な車中泊を楽しみたい方には物足りなさを感じるかもしれません。
ポータブル電源のメリットとデメリット
メリット
- 場所を選ばず自由に車中泊できる
- 複数の電化製品を同時使用可能
- スマホやカメラの充電も余裕
- 災害時の非常用電源として活用
- 電気毛布以外の暖房器具も使える
デメリット
- 重量があり持ち運びが大変(5kg〜10kg)
- 充電に時間がかかる(6時間〜8時間)
- 車内スペースを取る
- 定期的なメンテナンスが必要
- バッテリー劣化による性能低下
ポータブル電源は自由度が高い反面、管理の手間や重量がネックとなります。ただし、一度使い始めると手放せなくなる便利さがあります。
実際の使用シーン別おすすめ
シーン1:週末の温泉旅行での車中泊
温泉地の道の駅やRVパークを利用する場合、電源設備が整っていることが多いため、電気毛布で十分です。荷物も少なく済み、温泉で温まった後は毛布でぐっすり眠れます。
シーン2:登山の前泊や釣りでの早朝スタート
電源のない山間部や海岸での車中泊には、ポータブル電源が必須です。冷え込む早朝にも電気毛布で快適に過ごせますし、スマホやランタンの充電も気兼ねなく行えます。
シーン3:長期の車旅行
数日から数週間の長期旅行では、ポータブル電源があると行動範囲が大きく広がります。電源サイトの予約に縛られず、気に入った場所で自由に滞在できるのは大きな魅力です。
ソーラーパネルを組み合わせれば、天候次第で充電しながらの長期滞在も可能になります。
シーン4:月1〜2回の気軽な車中泊
趣味として月に数回程度の車中泊を楽しむなら、まずは電気毛布からスタートするのがおすすめです。慣れてきて物足りなさを感じたら、ポータブル電源の導入を検討すれば良いでしょう。
コスパを最大化する賢い選び方
電気毛布を選ぶなら押さえたいポイント
サイズは大きめがおすすめ 車中泊では掛け敷き両用タイプが使いやすく、140cm×80cm以上のサイズがあると快適です。体全体を包み込める大きさを選びましょう。
温度調節機能は必須 車内は外気温の影響を受けやすいため、細かく温度調整できるモデルを選ぶと省電力にもつながります。
ダニ退治機能があると便利 定期的に高温モードでダニを退治できる機能があると、衛生面でも安心です。
ポータブル電源を選ぶなら押さえたいポイント
容量は用途で決める 電気毛布のみなら400Wh、他の機器も使うなら600Wh以上を目安にしましょう。容量が大きいほど重量も増すため、持ち運びとのバランスを考えることが大切です。
出力ポートの種類を確認 AC出力(家庭用コンセント)、USB-A、USB-C、シガーソケットなど、複数のポート種類があると便利です。特にUSB-Cの急速充電対応モデルは重宝します。
充電方法は複数あると安心 家庭用コンセント充電に加えて、車のシガーソケットやソーラーパネルでも充電できるモデルなら、長期旅行でも安心です。
保証期間とサポート体制 ポータブル電源は高価な買い物なので、2年以上の保証が付いているメーカーを選ぶと安心です。国内サポートの有無も重要なポイントです。
両方使いで最強の車中泊環境を
実は、多くのベテラン車中泊ユーザーは電気毛布とポータブル電源の両方を活用しています。
組み合わせ使用のメリット
バッテリーの節約 ポータブル電源があっても、電源サイトでは電気毛布を直接コンセントにつなぐことで、バッテリーを温存できます。翌日の移動先で電源がない場所でも安心です。
複数人での車中泊 家族や友人との車中泊では、1人分はポータブル電源、もう1人分は電源サイトのコンセントで電気毛布を使うといった使い分けができます。
万が一のバックアップ ポータブル電源のバッテリーが切れた時、電源サイトがあれば電気毛布で凌げます。逆に電源サイトが混雑している時は、ポータブル電源で無料スポットに泊まれます。
まとめ:あなたに合った選択をしよう

冬の車中泊における電気毛布とポータブル電源の選択は、単純なコスパだけでは決められません。あなたの車中泊スタイル、頻度、求める快適性によって最適解は変わります。
こんな人は電気毛布がおすすめ
- 初期投資を抑えて気軽に始めたい
- 月1〜2回程度の利用頻度
- 電源付き施設を中心に利用
- 荷物は最小限にしたい
- まずは車中泊を試してみたい
こんな人はポータブル電源がおすすめ
- 週1回以上の頻繁な車中泊
- 好きな場所で自由に泊まりたい
- 複数の電化製品を使いたい
- 長期旅行を計画している
- 災害対策も兼ねたい
そして、車中泊にハマってきたら、両方を使い分ける「ハイブリッド運用」を検討してみてください。状況に応じて最適な方法を選べる柔軟性が、冬の車中泊をより快適で楽しいものにしてくれます。
まずは自分の車中泊スタイルを見極めて、無理のない投資から始めることをおすすめします。快適な冬の車中泊ライフをお楽しみください。
