車中泊×温泉って、実際どうなの?
「車中泊で温泉巡りしたいんだけど、どこがおすすめ?」
先日、車中泊仲間とそんな話になりました。私自身、関西エリアで車中泊しながら温泉を巡ること3年。その経験から言えるのは、温泉と車中泊の相性は想像以上に抜群だということです。
「でも、車中泊できる場所って限られてるんじゃない?」
確かにその通り。ただ、道の駅やRVパーク、温泉施設の駐車場など、意外と選択肢は多いんです。特に関西は温泉地が点在していて、車で2〜3時間圏内に魅力的なスポットが集中しています。
今回は、私が実際に訪れて「ここは最高だった!」と感じた関西の温泉地を5つ厳選してご紹介します。
城崎温泉(兵庫県豊岡市)——外湯めぐりと風情ある街並み
なぜ車中泊向きなのか
城崎温泉を訪れたのは昨年の11月。紅葉シーズン真っ只中で、柳並木が色づく街並みは圧巻でした。
ここが車中泊に適している理由は、道の駅「但馬楽座」が温泉街から車で約15分という好立地にあること。深夜到着でも安心して車を停められ、翌朝から温泉街を満喫できます。
実際に泊まった感想としては、道の駅のトイレも清潔で、周辺のコンビニやスーパーも充実。朝は但馬の新鮮な野菜を道の駅で購入して車内で朝食を楽しみました。
7つの外湯を制覇する楽しみ
城崎温泉の魅力は何といっても7つの外湯めぐり。浴衣で街を歩きながら、それぞれ個性の異なる温泉を巡るスタイルが最高です。
私のお気に入りは「一の湯」と「さとの湯」。一の湯は洞窟風呂が神秘的で、さとの湯は露天風呂から円山川を眺められる開放感が魅力でした。外湯めぐり券は1日1,400円で全ての外湯に入浴可能。これは絶対に買うべきです。
夜の温泉街は特に幻想的。柳並木がライトアップされ、浴衣姿の観光客が行き交う光景は、まるで時代劇の世界に迷い込んだよう。車中泊だからこそ、時間を気にせず夜遅くまで街歩きを楽しめました。
白浜温泉(和歌山県白浜町)——太平洋を望む絶景と豊富な泉質

リゾート感覚で楽しめる温泉地
白浜温泉は今年の5月に訪問しました。関西屈指のリゾート地ということもあり、海と温泉を同時に楽しめる贅沢な環境です。
車中泊スポットとしては**「道の駅志原海岸」や「白浜海中展望塔近くの駐車場」**が便利。特に道の駅志原海岸は、目の前が太平洋という絶好のロケーション。朝、車から出ると潮風と波音で目が覚める体験は格別でした。
崎の湯で味わう絶景露天風呂
白浜で絶対に外せないのが**「崎の湯」**という露天風呂。海のすぐ目の前、岩場に作られた開放的な湯船で、波しぶきを感じながら入浴できます。
私が訪れたのは夕暮れ時。沈みゆく夕日を眺めながらの入浴は、これまで入った温泉の中でもトップクラスの感動体験でした。料金も420円とリーズナブルなのが嬉しいポイント。
白浜は温泉だけでなく、アドベンチャーワールドや白良浜など観光スポットも充実。車中泊で連泊しながら、ゆっくり楽しむのがおすすめです。
有馬温泉(兵庫県神戸市)——日本三古湯の風格と金泉・銀泉

都市部からのアクセスの良さ
有馬温泉は神戸市内にありながら、山間の静かな温泉地。大阪から車で1時間というアクセスの良さが魅力です。
車中泊場所は少し工夫が必要で、私は六甲山上の駐車場を利用しました。標高が高いため夏でも涼しく、朝は雲海を見られることも。そこから有馬温泉街へは車で15分ほど下りるだけです。
金泉と銀泉、2つの泉質を堪能
有馬温泉の特徴は**金泉(含鉄ナトリウム塩化物強塩高温泉)と銀泉(ラドン泉・炭酸泉)**という2種類の泉質。特に金泉は、湯船が茶褐色に染まるほど鉄分豊富で、入浴後は肌がツルツルになります。
私は「金の湯」と「銀の湯」という2つの公衆浴場を利用。金の湯は濃厚な温泉を、銀の湯はさっぱりとした湯上がりを楽しめました。両方入っても1,000円程度というコストパフォーマンスの高さも見逃せません。
温泉街には炭酸せんべいの老舗や食べ歩きグルメも充実。神戸牛コロッケを片手に散策するのが私の定番コースです。
湯村温泉(兵庫県新温泉町)——荒湯が織りなす湯けむり情緒
秘境感たっぷりの温泉地
湯村温泉を訪れたのは冬の2月。雪景色の中に立ち上る湯けむりが幻想的で、秘境感たっぷりの雰囲気に心奪われました。
**「道の駅山陰海岸ジオパーク浜坂の郷」**が最寄りの車中泊スポットで、温泉街まで車で約10分。道の駅には温泉施設も併設されているため、到着後すぐに汗を流せるのが便利でした。
荒湯で温泉卵作り体験
湯村温泉のシンボルは、温泉街の中心にある**「荒湯」**という源泉。98度という高温の湯が湧き出ており、地元の方や観光客が野菜や卵を茹でている光景が日常的に見られます。
私も卵とじゃがいもを持参して温泉卵作りに挑戦。約15分で出来上がる温泉卵は、黄身がトロトロで絶品でした。この体験型の楽しみ方は、他の温泉地ではなかなか味わえない魅力です。
小さな温泉街ですが、足湯や射的場など昭和レトロな雰囲気が残っており、ゆっくり散策するだけで心が癒されます。
洞川温泉(奈良県天川村)——修験道の聖地で心身を清める
山深い秘湯の魅力
洞川温泉は大峰山の麓に位置する、知る人ぞ知る秘湯。標高約820メートルの高地にあり、夏でも涼しく過ごせるのが特徴です。
私が訪れたのは8月の猛暑日。平地では35度を超える暑さでしたが、洞川温泉は25度前後と快適でした。車中泊は**「道の駅吉野路大塔」**を利用し、そこから山道を1時間ほど走って温泉街へアクセス。
修験道の歴史を感じる温泉街
洞川温泉は修験道の聖地・大峰山の登山口として栄えた歴史があり、街並みには古い旅館や陀羅尼助(だらにすけ)という伝統薬を扱う店が軒を連ねています。
温泉は弱アルカリ性の単純泉で、肌に優しくさっぱりとした湯上がり。私は日帰り入浴施設「洞川温泉センター」を利用しましたが、大きな窓から見える森林の緑が美しく、森林浴と温泉浴を同時に楽しめました。
夜は満天の星空が広れます。街灯が少ないため天体観測には最適で、車内から眺める星空は都会では絶対に見られない贅沢な体験でした。
車中泊×温泉を成功させる3つのポイント
道の駅選びは事前リサーチが命
3年間の経験から言えるのは、道の駅の設備と温泉地までの距離のバランスが重要だということ。トイレが清潔か、24時間利用可能か、周辺にコンビニやスーパーがあるかをGoogleマップと口コミで必ず確認しています。
また、RVパークや温泉施設併設の駐車場も選択肢に入れると、より快適な車中泊が実現します。
荷物は最小限、でも温泉グッズは充実させる
車内スペースは限られているため、衣類は2〜3日分に絞り込み。その代わり、温泉セット(タオル、シャンプー類、ビニール袋)は必ず用意しています。
特に複数の温泉を巡る場合、濡れたタオルを入れる防水バッグがあると車内が湿気らず快適です。私はジップロックの大サイズを常備しています。
時間を気にしない旅程が最高の贅沢
車中泊最大の魅力は、時間に縛られない自由さ。朝温泉でゆっくり目覚め、昼は観光、夕方に別の温泉へ、夜は星空を眺めながら就寝。こんな贅沢な旅程が組めるのは車中泊ならではです。
特に関西の温泉地は比較的コンパクトなエリアに集中しているため、2〜3日で複数の温泉地を巡ることも可能。急がず、のんびりと、その日の気分で行き先を変えるのも楽しみ方の一つです。
まとめ:車中泊で関西の温泉をもっと自由に

関西には今回紹介した5つ以外にも、まだまだ魅力的な温泉地が数多く存在します。車中泊というスタイルだからこそ、宿泊費を抑えながら複数の温泉を巡る贅沢な旅が実現できるのです。
私自身、車中泊を始めてから旅の自由度が格段に上がりました。天気が良ければもう一泊、疲れたら早めに切り上げる。そんな柔軟な旅程が組めるのは、車中泊の大きな魅力です。
ぜひ週末や連休を利用して、関西の温泉×車中泊の旅に出かけてみてください。きっと新しい旅のスタイルに出会えるはずです。

